生化学は、くすりが効くメカニズムを理解する上で欠かせない学問です。
どんな生体分子がどんな役割を持っているのかを知ることで、
くすりの作用を分子のレベルで理解できるようになります。
また、疾患に関わる生体分子を同定することで、
その分子を標的とした創薬にもつながります。
 

研究成果・実績

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  • Mizuki Sekiya, Kazuya Ikeda, Ayaka Yonai, Taichi, Ishikawa, Yu Shimoyama, Yoshitoyo Kodama, Minoru Sasaki, Mayumi Nakanishi-Matsui, J. Appl. Microbiol. 134: lxad073 (2023)
  • Mizuki Sekiya, Proton pumping ATPases: Rotational catalysis, physiological roles in oral pathogenic bacteria, and inhibitors. Biol. Pharm. Bull. 45: 1404-1411 (2022)
  • Mayumi Nakanishi-Matsui, Naomi Matsumoto, V-ATPase a3 subunit in secretory lysosome trafficking in osteoclasts. Biol. Pharm. Bull. 45: 1426-1431 (2022)

主な研究内容

  1. 骨代謝やインスリン分泌におけるプロトンポンプの機能
  2. プロトンポンプの一分子観察による作動機構の解析
  3. プロトンポンプを標的とした抗菌剤の探索
  4. 歯の形成や唾液分泌、神経伝達物質の分泌におけるプロトンポンプの機能

担当講義

薬学生物2 (1年後期)
医薬品が生体に作用する分子機構を理解するためには、その標的となる生体分子について知ることが不可欠である。本講義では、生体を構成する分子の構造と性質、機能に関する基本的知識の習得を目指す。 中西真弓,關谷瑞樹
生化学1 (2年前期)
医薬品の標的の多くはタンパク質からなる酵素や受容体である。そこで、本講義では、薬学生物2で基本構造と性質を学んだ生体分子のうち、特にタンパク質とアミノ酸に焦点を当て、高次構造と多様な機能、翻訳後修飾を含めた活性調節機構、分析方法について講述する。また、酵素としてのはたらき、反応速度論、補酵素や微量金属の役割を学ぶ。タンパク質の構造と機能を理解した上で、医薬品が酵素や受容体に作用するメカニズムについて学習する。 中西真弓
生化学2 (2年前期)
生命活動は、生体エネルギー産生を含む多様な代謝経路が、適切な調節を受けてはたらくことにより維持されている。本講義では、食物成分からのエネルギーの産生、および、糖質、脂質、タンパク質などの代謝に関する基礎知識を修得する。さらに、飢餓状態と飽食状態のエネルギー代謝について学習する。 中西真弓,關谷瑞樹
生化学3 (2年後期)
ゲノムは、生命体を形成し生命現象を営むために必要な設計図であり、その本体はDNAすなわち核酸である。核酸の構造、機能および代謝に関する基本的知識やセントラルドグマを背景に、遺伝子の構造と複製、発現制御について学ぶ。さらに、近年発達した代表的な遺伝子工学的手法に関して、その原理と医薬品製造における利用について学ぶ。また、遺伝子や核酸代謝と関わりのある医薬品について理解を深める。 中西真弓,
松元(後藤)奈緒美
薬学実習1 (2年後期)
生化学に関連する各講義で学ぶ事柄や、各専門分野において必要となる知識と技能について、実験を通じて理解し身につける。また、実験結果を総合的に考察し、レポートを作成する能力を育成する。さらに、製薬企業の工場を訪問し、製剤と創薬の現場を見学することにより、製薬業務とその社会的責任・倫理についての理解を深め、医療や医薬品を巡る社会的な動向について意識する態度を身につける。 中西真弓,
松元(後藤)奈緒美,
關谷瑞樹
薬学英語3 (3年後期)
薬学の専門家になるために必要な英語の医療用語を身につける。英語で記載された医薬品関連文書などの内容を理解するため、読解力を高める。 中西真弓
実践生化学 (4年前期)
発症メカニズムや薬剤治療を学ぶには、体の仕組みを分子レベルで理解していることが必須である。2学年までに学修した生化学関連の知識を体系的に復習することで、薬理学、医療薬学、薬剤治療のより深い理解を目指す。 中西真弓,
松元(後藤)奈緒美,
關谷瑞樹

メンバー

教授

中西 真弓(なかにし まゆみ)
平成 元 年 東京大学薬学部卒業
平成 6 年 東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了、博士(薬学)
前職:岩手医科大学薬学部機能生化学講座准教授
日本生化学会評議員、Biol. Pharm. Bull. 編集委員、FAOBMB日本代表担当講義
1学年:薬学生物2
2学年:生化学1・2・3, 薬学実習1
3学年:薬学英語3
4学年:実践生化学

准教授

關谷 瑞樹(せきや みずき)
平成15年 東北大学薬学部卒業
平成20年 東北大学大学院薬学研究科博士後期課程修了、博士(薬学)
前職:日本学術振興会特別研究員担当講義
1学年:薬学生物2
2学年:生化学2, 薬学実習1
4学年:実践生化学