「薬害被害者の声を聴く」増山ゆかりさんの講義から学んだこと

 去る令和5年8月30日に、岩手医科大学薬学部において薬害被害者の増山ゆかりさんの講義が行われました。本講義は、薬学部4年次の科目「医療倫理とヒューマニズム」の1コマとして例年行われていますが、コロナ禍のこともあり4年ぶりに本校に来校され、対面での授業でした。

 今回は、日常生活の新たな映像を流しながら、当時の薬害に関する議論や増山さんの薬害に対する考えの変化などを学生に講義しました。身体に不自由さを抱えながらも、日常生活で家事をしたり、車を運転する姿を見て、学生たちは驚いていました。

 学生からは、薬害については授業等で学び、知識はあったが自分とは関係がない、他人事として捉えていたことに気づかされた。増山さんの「薬害で腕を失ったのではなく、生きる意味を失った」という言葉に薬害の重さを感じた。薬剤師になった時に、薬害に対し何ができるのかを考えるきっかけになった。薬害のみならず、障がいを持つ人とどう接すればよいかについても興味を持つようになった。二度と繰り返さないためにも、薬害のことを伝えていく必要がある。などの感想がありました。

 学生にとっては、薬害被害者から直接お話を聴く機会はほとんどないため、貴重かつ有意義な時間を過ごすことができました。(地域医療薬学分野 高橋寛)

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