臨床医化学分野には,医学を生化学の視点から解析する医化学の姿勢が基本にあります。医化学の知識や思考,実験手法を駆使することで,疾病の根底にある原因を分子レベルで解き明かすことができます。また,医化学研究は,新しい治療法や医薬品を開発するための基盤にもなります。従って,医化学研究はあらゆる領域の医学・薬学研究の基礎となります。臨床医化学分野で創薬を目指した医化学研究に取り組み,社会が求める薬学研究者や薬剤師へと変貌を遂げるための準備をしましょう。
6年制薬学部においては,「くすり」についての専門知識だけでなく,病態や治療についてのより深い知識の習得が求められています。臨床医化学分野では疾病全般について,病態や治療に関する講義・実習を通して,病態と治療にも精通した薬学研究者および薬剤師の育成を目指しています。研究面では,がん,神経変性疾患,敗血症など,アンメットメディカルニーズの高い疾患克服に向けた創薬研究を行っています。
分野からお知らせ
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- 2025.06.10
- 2025.06.10
- 2025.06.03
研究成果・実績
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- Yamada, Y., Ito, R., *Noguchi, T., Hamano, S., Otani, K., Komatsu, T., Hirata, Y., *Matsuzawa, A. The degree of caspase-3 aggregation determines the selectivity of arsenic-induced cell death. J. Toxicol. Sci., in press, 2025. *Corresponding authors
- Otani, K., kagi, T., *Noguchi, T., Suzuki, S., Hirata, Y., *Matsuzawa, A. The antirheumatic drug sulfasalazine ameliorates acute renal failure (ARF) induced by polymyxin B. The Journal of Antibiotics, in press, 2025. *Corresponding authors
- Yamada, Y., Tsuchida, M., *Noguchi, T., Yokosawa, T., Mitsuya, M., Shimada, T., Oikawa, D., Hirata, Y., Tokunaga, F., Schneider, P., *Matsuzawa, A. Truncated LKB1 nonenzymatically enhances Fas-induced apoptosis by acting as a surrogate of Smac. Cell Death Discovery, in press, 2025. *Corresponding authors
主な研究内容
- 複合的ストレス受容体の機能解析
- 創薬標的の創出を目指したシグナル伝達研究
- 疾患治療薬開発を目指した創薬シーズの探索
担当講義
医療薬学1 (3年前期) | |
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血液,免疫・アレルギー,脳血管障害,神経疾患,遺伝性の疾患について,病態,臨床検査,治療を講義する。この講義を通じて症状や検査値から病気を推測する能力を学ぶとともに,薬物治療の位置付けについて理解を深める。 | 野口拓也 |
医療薬学3 (3年後期) | |
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消化器系,代謝,呼吸器系,骨・関節の疾患について,病態,臨床検査,治療を講義する。この講義を通じて症状や検査値から病気を推測する能力を学ぶとともに,薬物治療の位置付けについて理解を深める。 | 野口拓也 |
薬学実習3(症例解析学実習) (4年前期) | |
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医療薬学および症例・処方解析学に関連する講義で得た種々の疾患の病態と 薬物治療に関する基本知識に基づき、指定された症例について情報を集めてグループ討議する。 | 野口拓也 |
メンバー
教授 |
野口 拓也(R7.4月着任)
連絡先:noguctak @ iwate-med.ac.jp (@前後のスペースは削除) 専門分野:細胞生物学,生化学,分子生物学,医療系薬学 所属学会:日本薬学会,日本生化学会,日本分子生物学会,日本Cell Death学会,毒性学会 経歴: 平成13年 東京医科歯科大学歯学部 卒業,歯科医師 平成17年 東京医科歯科大学 医歯学総合研究科博士課程 修了,学術博士 平成18年4月 東京大学大学院薬学系研究科 助教 平成19年4月 東京大学大学院薬学系研究科 助教 平成21年4月 ローザンヌ大学生化学研究所 特任助教 平成24年5月 群馬大学生体調節研究所 助教 平成26年10月 東北大学大学院薬学研究科 准教授 令和7年4月 岩手医科大学病態薬理学講座臨床医化学分野 教授
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