医療倫理とヒューマニズムを考える

 今回は、薬学部第4学年の科目「医療倫理とヒューマニズム」で行った、選択式レポート課題に対するレポート賞表彰式の紹介です。
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 本学薬学部の倫理系カリキュラムでは、低学年での教養教育科目、高学年での実務系科目の間に、中学年となる4年生に本科目を配置し開講しています。この科目はオムニバス形式をとっており、本学薬学部教員に加え、教養教育センターの文学や行動科学の教員、附属病院の遺伝カウンセラーや県薬剤師会の災害対策理事など、多彩な講師が毎回異なるテーマで講義をしています。
 そして夏休みには、各回の講師から提示された「講義の延長にある課題」を学生が一つ選び、レポートを提出します。その中から、ぜひ他の学生にも知ってほしいレポートを「優秀レポート賞」として選出しています。
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 8/31に、今年のレポート賞の表彰式を行いました。今年の受賞者は8名。三部学部長より賞の授与が行われ、続けて各受賞者がレポート作品を発表しました。


 (受賞作品について簡単に紹介しますと)医療人の卵として、生体移植の問題をレシピエントだけでなくドナーの立場でとらえ直した作品、実際に生じた医療過誤の問題点を分析し、防止のために大切な情報提供やインフォームドコンセントについて述べた作品がありました。また、医薬品の開発企業への行政指導や、医薬品のインターネット販売など、薬剤師や薬学出身者として考えておきたい課題に対するレポートもありました。さらに、生(「生殖医療における遺伝子診断と倫理」)や⑥死(「死にゆく人々の物語と死生観」)に関わる課題を選んだ学生も2名ずつ発表しましたが、同じテーマでも人によって視点や考え方が異なることを理解できる内容でした。

 この発表会、学生たちには、同じく医療人を目指す友達の多様な価値観や考え方を知る貴重な機会となりました。審査員を務めてくださった先生方、作品を紹介してくれた皆さん、ありがとうございました。
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文責:大橋綾子(科目責任者)
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